花粉症のシーズンになると、「妊娠中だけど、花粉症の薬を飲んでも赤ちゃんに影響はない?」「授乳中、市販の目薬や点鼻薬は使っていいの?」というご質問をよくいただきます。妊娠中や授乳中のお母さんは、お薬の服用となると不安に思われますよね。
そこで今回は、出産・育児を経験した一人の母親であり、耳鼻咽喉科専門医でもある副院長が、妊娠や授乳中の方へのアレルギー薬についてのご質問に回答いたします。
結論からお伝えすると、安全性が高いとされるお薬はきちんと存在します。 大切なのは、時期や体調に合わせて「正しく選ぶこと」です。
今回は、お母さんと赤ちゃんの安全を守りながら、辛い花粉症を乗り切るためのポイントを解説します。
1. アレルギー性鼻炎の種類
アレルギー性鼻炎には、大きく分けて2つのタイプがあります。
- 季節性アレルギー性鼻炎: スギやヒノキなどの「花粉症」
- 通年性アレルギー性鼻炎: ダニ、ハウスダスト、ペットの毛など
どちらも、症状やご自身の体調に合わせて、適切なお薬を選択することが何より重要です。
2. 【妊娠時期別】お薬選びのポイントと対策
妊娠中の体はデリケート。特に「妊娠の時期」によって、お薬の使い分けが必要になります。まずはセルフケアを行ってみて、それでも症状が残る場合はお薬を検討します。
■ 妊娠全期間
- セルフケア:アレルギーを起こす物質を検査で特定して回避する必要があります。
マスク、メガネを着用する。花粉がアレルゲン(アレルギーを起こす物質)であれば、その花粉の時期は布団や洗濯物を外干ししないようにする、上着はツルツルした素材のものを着て家に入る前によく払い落とす、髪に付着することも多いため帽子をかぶり払ってから家に入る。
あまり知られていませんが、蛾やゴキブリにアレルギーをお持ちの方は意外と多いです。服を食べる虫、蛾の幼虫の可能性がありますので、お気を付け下さい。
また、加湿、蒸しタオルや入浴などで鼻閉が改善したり、鼻洗浄をすることでアレルゲンを洗い流す方法も有効です。鼻の手前にワセリンを薄く塗っておくという方法もあります。
■ 妊娠初期(~7週までは絶対過敏期、15週までを妊娠初期と言います)
赤ちゃんの体の基礎が作られる非常に大切な時期です。
- 内服薬(飲み薬): 症状・所見によってお薬を検討します。
- 外用薬: 点鼻薬や点眼薬(目薬)など、局所に作用するお薬を中心に検討します。
■ 妊娠初期以降(16週以降)
症状や状況に合わせて、使えるお薬の幅が広がります。
- 併発症への対応: 妊娠初期以降は「副鼻腔炎」を併発しているケースもあるため、状況に応じて処方内容を調整します。
3. 市販薬での自己判断は禁物です
ネットの情報などを見て「この薬なら大丈夫だろう」と自己判断で市販薬を服用することは避けてください。
- 用法用量、内服薬・点鼻薬自体が妊婦さん向けではない場合があります。
- お母さんの体質や、その時の赤ちゃんの成長段階に合わせた最適な選択が必要です。
必ず医師に相談し、処方されたお薬を正しく使用するようにしましょう。
つらい症状、我慢せずにご相談ください
鼻水やくしゃみが止まらない、目のかゆみが酷くて夜も眠れない……。そんなストレスは、お母さんの体にとっても大きな負担となります。
当院では、お母さんの不安に寄り添いながら、専門医の視点で安全性の高い治療をご提案します。 「こんなこと聞いてもいいのかな?」とためらわず、ぜひお気軽にご相談くださいね。
高松市出作町 わたなべ耳鼻咽喉科
